小売業というものが今後どうなっていくのか分からない件について
拝啓 鈴木敏文様。
御社セブン&アイHLDGS.が西武百貨店とそごうの持ち株会社であるミレニアムリテイリングを完全子会社化するという今日のニュースには正直びっくりさせられました。想定の範囲外です。御社のロゴが発表になったときにその図柄を見て、まさか今の時流に乗っちゃってTBSを買収するつもりなのでは?とちょっと心配しましたが、稀有に終わりました。百貨店の買収というのは正道なのでしょう。
それにしても時代の流れというものを感じます。この15年間で国民の消費は都市部の百貨店から郊外の総合スーパーへそして更に小商圏のコンビニエンスストアやアパレル専門店へと流れていきました。そして、御社においては、最後の勝者であるセブン-イレブンがイトーヨーカ堂を飲み込んで、更に今回ミレニアムリテイリングを飲み込みました。30年前のあなたの仮説・判断が今検証されたのだと思います。競合(内側)ではなく消費者(外側に行く人)を見ろと常にあなたが仰っているのは、このような時代背景を身を持って感じておられるからなのですね。
買収によるシナジー効果というものが存在するのかは私には分かりませんが、この買収が適正な価格によって行われておりかつこれが次の時代に対するあなたの新たな仮説に基づく行動であるならば、私はこれを支持したいと思います。
敬具
- 作者: 鈴木敏文
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2003/11/22
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 7回
- この商品を含むブログ (4件) を見る
そごうの西武大包囲戦略―売り上げ日本一をめぐる水島と堤の激突 (カッパ・ビジネス)
- 作者: 渡辺一雄
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 1988/05
- メディア: 新書
- この商品を含むブログ (1件) を見る