The Pragmatic Bookshelfは出版の近未来だ!

The Pragmatic Bookshelf
Programming Rubyの3rd editionが売られていたので
そのPDF版を買った


例によってベータ版ということで
現在はPartIIまで改定されたものが入手できる
2nd editionのPDF版を買ったユーザということで
本来$25のPDF版が$12.5およそ1,200円で購入できた
書籍とPDF版のコンボはおよそ$60になる
日本語版はおそらく8,000円前後になるだろうから
1,200円で同じ内容のものが手に入るというのは
すごく得した気分だ


このサイトおよび販売方法は本当によくできていて
出版の近未来というものをここに感じずにはいられない
その特徴は

  1. PDF版と書籍版あるいはそれらのコンボの何れかを自分の必要に応じて選べる
  2. 書籍版に先行して途中まで書かれたものをPDFの形でダウンロード販売する
  3. up to dateで改訂版をPDFで細かくリリースする
  4. PDF版の読者からのエラー投稿やリクエストを容易にする仕組みがあり速やかにそれらを次の版に反映するようになっている
  5. 購入者の専用ページが用意され購入履歴やお薦め情報が見られる
  6. 前バージョンの購入者は大幅なディスカウントを受けられる


ポイントとしては作者と読者の距離が近いということであり
その結果

  1. インタラクティブに読者の声を次のリリースに反映できる
  2. 価格を安くできる
  3. 販売スタイルを柔軟にできる

というメリットが生まれている


このメリットは確かにこの種の技術書では特に有効だけど
他の書籍例えば小説などでも
作者および読者にとってメリットがあると思う


海外のテレビドラマシリーズ例えばLOSTや冬ソナでは
オフィシャルサイトを通して
ユーザと製作者との間のインタラクションが
作品の後の行方に影響を与えていたらしいので
書籍の世界にも同様のことが起きるのだろう


現在の日本での作家の取り分は売価の10%程度と聞く
このようなシステムは流通コストを大幅に引き下げ
販売価格を引き下げても
作者に相応の利益をもたらす可能性がある
これこそ作者・読者共に仕合せになれるwin-winの状況だ