サクラサク

昼に図書館に本を返しにいってみたら、御苑の桜がもう満開だった。半袖でもいいくらいの陽気なので、桜も時期を間違えたのだろう。桜の幹は黒くてごつごつしていて、景観を損ねると思うけど、その花が一年に一度、一瞬にして美しく咲くさまを知っている人間たちは、それだからその存在を許しているんだろう。桜がその期待を裏切って花を咲かせなくなったら、その途端に切られてしまうんだろうな。桜の美しさにはそういう憂いを感じる。